その“育てやすさ”、本当に子どもの幸せ?―『傲慢と善良』感想

読書記録

こんにちは!せとちゃんです!
一姫二太郎(5歳、3歳)を育てながら、ワーキングマザーとして日々奮闘しています。

今日は、最近読んだ小説についてお話したいと思います。


『傲慢と善良』(辻村深月)


―「良い子」のその先を考えさせられる恋愛小説―

結婚直前、彼女“真実”は突然失踪します。

ストーカーの影に怯えていた彼女。もしかして連れ去られたのでは…?

彼は彼女を探し続けます。


真実は群馬で育ち、親の言うことに従って、真面目に、従順に生きてきた女性。

進学先、就職先、そして結婚相談所での婚活までも、親の勧めのままに選んできました。


そんな真実の人生、いえ多くの現代人の本質をずばりと指摘するのが、結婚相談所の担当者・小野里さん。

彼女の言葉が、心にずしんと響くのです。

「今の日本は、目に見える身分差別はもうありません。でも一人ひとりが自分の価値観に固執していて、皆さんどこか傲慢なんです。その一方で、善良に生きてきた人ほど、親の言うことを聞いて、誰かに決めてもらう人生を送っている。そうして“自分がない”状態になってしまう。傲慢さと善良さが同居する、不思議な時代だと思います。」


個性が尊重される時代。

けれど、自分だけを大切にして生きることは、どこか寂しく、悲しいことでもあります。


この物語の結末は、「自分で選ぶこと」をしてこなかった人間の、突拍子もない行動でした。


私自身、真実の親のように“子どものことを何でも決めてしまう親”になるつもりはありません。

それでも、子どものためと思えばこそ、つい必死になりすぎてしまう自分がいるのも否定できません。

だからこそ、小野里さんの言葉が、私の胸にもぐさりと刺さったのだと思います。


子どもとお互いに自立した関係を築くために――

私は「自分の人生を生きる姿」を子どもに見せることが大切だと考え、仕事を続けています。

とくに娘にとって、より良い将来、生きやすい未来に繋がっていくと信じて。


一方で私は、効率を優先して、子どもの持ち物や洋服をネットでまとめて購入。

服も私が勝手に決めて用意しています。

(だって、息子と一緒に買い物なんて…カオスになることが目に見えていて…!)

でも、これからは少しずつでも「自分で選ぶ」機会を、子どもたちに増やしていきたいと思いました。

まずは二択から。

  • 「今日はどっちの服を着る?」
  • 「動物園と水族館、どっちに行きたい?」

「親の言うことをよく聞く、育てやすい“良い子”」ではなく、
自分の意思を持った、自立した子どもに育ってほしいのです。


最近、まったく言うことを聞かない息子に手を焼いていましたが…
それも「自分をしっかり持っている証拠」と思えば、少し気が楽になりました。

力でねじ伏せるのではなく、辛抱強く向き合っていこうと思います。


最後に

『傲慢と善良』は、子育て中の親にとって、自分自身の行動を見直すきっかけになる小説です。

「長所を伸ばそう」「個性を大切にしよう」と言われる今、
“自己愛だけが強い人間”を育ててしまわないように、バランスを取る難しさも痛感します。


個性と協調、自己主張と共感――その間で揺れる子育て中の方にこそ、
ぜひ読んでほしい一冊です。



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